赤い蝋燭(二)
そこで猿は花火というものが、どんなに大きな音をして飛出すか、そしてどんなに美しく空にひろがるか、みんなに話して聞かせました。 そんなに美しいものなら見たいものだとみんなは思いました。
「それなら、今晩山の頂上に行ってあそこで打上げて見よう」と猿がいいました。 みんなは大へん喜びました。 夜の空に星をふりまくようにぱあっとひろがる花火を眼に浮べてみんなはうっとりしました。
さて夜になりました。 みんなは胸をおどらせて山の頂上にやって行きました。 猿はもう赤い蝋燭を木の枝にくくりつけてみんなの来るのを待っていました。
いよいよこれから花火を打上げることになりました。 しかし困ったことが出来ました。 と申しますのは、誰も花火に火をつけようとしなかったからです。 みんな花火を見ることは好きでしたが火をつけにいくことは、好きでなかったのであります。
これでは花火はあがりません。 そこでくじをひいて、火をつけに行くものを決めることになりました。 第一にあたったものは亀でありました。
