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赤い蝋燭(一)
山から里の方へ遊びにいった猿が一本の赤い蝋燭を拾いました。 赤い蝋燭は沢山あるものではありません。 それで猿は赤い蝋燭を花火だと思い込んでしまいました。
猿は拾った赤い蝋燭を大事に山へ持って帰りました。
山では大へんな騒になりました。 何しろ花火などというものは、鹿にしても猪にしても兎にしても、亀にしても、鼬にしても、狸にしても、狐にしても、まだ一度も見たことがありません。 その花火を猿が拾って来たというのであります。
「ほう、すばらしい」
「これは、すてきなものだ」
鹿や猪や兎や亀や鼬や狸や狐が押合いへしあいして赤い蝋燭を覗きました。 すると猿が、「危い危い。そんなに近よってはいけない。爆発するから」といいました。
みんなは驚いて後込しました。