和尚さんと小僧(二の二)
と、こう独り言をいいながら、ふろしき包みをほどくと、大きなお重箱にいっぱい、おいしそうなお団子がつまっていました。 小僧はにこにこしながら、お団子をほおばって、もう一つ、もう一つと、食べるうちに、とうとうお重箱にいっぱいのお団子を、きれいに食べてしまいました。 食べてしまって、小僧ははじめて気がついたように、
「ああ、しまった。和尚さんが帰って来たらどうしよう。」
と、困ってべそをかきました。 するうち、ふと何か思いついたとみえて、いきなりお重箱をかかえて、本堂へ駆け出して行きました。 そして御本尊の阿弥陀さまのお口のまわりに、重箱のふちにたまったあんこを、指でかきよせては、こてこてとぬりつけました。 そして重箱を阿弥陀さまの前に置いて、部屋に帰って来て、知らん顔をしてお経を読んでいました。
しばらくすると、和尚さんは帰って来て、小僧に、
「留守にだれも来なかったか。」
とたずねました。
