春山秋山(二の一)
その後弟の神は兄の神に向かって、「いつぞや約束したとおり、わたしは少女をお嫁にもらって、子供まで出来ました。だから約束のとおり、あなたの着物をぬいで下さい。それからごちそうをたんとして下さい。」といいました。
けれども兄神は弟神の幸福をねたましく思って、さもいまいましそうに、「そんな約束はした覚えがないよ。」といって、まるで着物もくれないし、ごちそうもしませんでした。
弟神はくやしがって、おかあさんの女神の所へ行っていいつけました。 すると女神はおおこりになって、兄神に、「あなたはなぜうそをつくのです。神のくせにいやしい人間のするようなうそをつくというのは何事です。」としかりました。
