棚田はなぜ残っているのか
日本の山には、階段のような形の田んぼがある。 棚田と呼ばれている。
平らな土地が少ない所で、昔の人が山の斜面を少しずつ削って作った。 石を積んだ壁の上に、小さい田んぼが何十枚も並んでいる。 新潟県の星峠では、二百枚以上の棚田が一つの斜面に広がっている。
棚田の米作りは、平地の田んぼとは違う。
一枚が小さいので、大きい機械を入れることができない。 田植えも収穫も、人の手か小さい機械でする。 水は、山から来る冷たい水を、上の田んぼから下へ順番に送るようにしている。 作業の時間は、平地の三倍以上だと言われている。
それでも、取れる米の量は平地の半分ぐらいだ。 生産だけを考えれば、続ける理由はない。
では、なぜ残っているのか。
一つは、水をためる働きだ。 棚田は雨の水を少しずつ下へ流すので、大雨のとき、村に一度に水が来るのを防ぐことができる。
もう一つは、景色だ。 九月の終わり、収穫の前の棚田は黄色く光る。 その時期は、写真を撮りに来る人で細い道がいっぱいになる。
最近は、都会の人が一枚の田んぼを借りて、休みの日に手伝う「オーナー制度」を始めた地域もある。
産業としては小さい。 それでも棚田は、米のほかに、水と景色を守っている。
