二キロの差
スタッフ:お客様、申し訳ございません。お預けのお荷物が、二十五キロございまして。
旅行者:え、超えてますか。
スタッフ:はい。こちらの便ですと、お一つ二十三キロまでとなっております。二キロの超過ですと、追加の料金が四千円ほどかかってしまいます。
旅行者:四千円……。あの、どうにかなりませんか。
スタッフ:機内にお持ち込みいただけるお荷物が、お一つ十キロまでございます。そちらに移していただければ、料金はかかりません。
旅行者:ここで開けても大丈夫ですか。
スタッフ:はい。あちらの台をお使いください。……お客様、その中で重いものはどれでしょうか。
旅行者:たぶん、これです。母に頼まれた本が三冊と、あとは鉄の急須が一つ。
スタッフ:急須は割れる恐れがございますので、機内にお持ちになるほうが安心です。本も同じようになさってください。
旅行者:なるほど。……これでどうですか。
(スタッフが荷物をもう一度量る。)
スタッフ:二十三キロを切りました。このままお預かりできます。
旅行者:よかった……。
スタッフ:それから、お客様。今お召しになっているものは、重さに入りません。次からは、一番重い上着を着てお並びになるといいですよ。
旅行者:それ、並ぶ前に知りたかったです。
