木の祭り(三)
「ほたるです。」とその虫は眼をさまして答えました。
「原っぱのまんなかの木さんのところでお祭りがありますよ。あなたもいらっしゃい。」としじみちょうがさそいました。
ほたるが、「でも、私は夜の虫だから、みんなが仲間にしてくれないでしょう。」といいました。
しじみちょうは、「そんなことはありません。」といって、いろいろにすすめて、とうとうほたるをつれていきました。
なんて楽しいお祭りでしょう。 ちょうちょうたちは木のまわりを大きなぼたん雪のようにとびまわって、つかれると白い花にとまり、おいしい蜜をお腹いっぱいごちそうになるのでありました。 けれど光がうすくなって夕方になってしまいました。
みんなは、「もっと遊んでいたい。だけどもうじきまっ暗になるから。」とためいきをつきました。 するとほたるは小川のふちへとんでいって、自分の仲間をどっさりつれてきました。 一つ一つのほたるが一つ一つの花の中にとまりました。 まるで小さいちょうちんが木にいっぱいともされたようなぐあいでした。 そこでちょうちょうたちはたいへんよろこんで夜おそくまで遊びました。
