二度目の窓口
リュウが同じ窓口に座るのは、これで二度目だった。
一度目は先週。 写真も申請書も用意していたのに、通知カードを家に忘れてしまって、五分で帰ることになった。
「今日は、揃っていると思います」リュウは鞄から封筒を出した。
職員は非常に落ち着いた手つきで、中の紙を一枚ずつ並べた。 申請書、写真、通知カード、それから運転免許証。
「はい、大丈夫です。お写真も、これで問題ありません」
「よかった」
「先週いらっしゃったとき、お写真だけは褒めようと思っていたんですよ」 職員が笑った。 「背景が白くて、まっすぐで、きれいでしたから」
リュウは、その一枚を撮るのに、家の白い壁の前で二十回撮り直したことを思い出した。
手続きは十分ほどで終わった。 マイナンバーカードができるのは、一か月ほど先だという。
「できましたら、はがきをお送りします。受け取りに来られるときは、そのはがきと、今日と同じ身分証明書をお持ちください」
「……また、忘れそうです」
職員は紙を一枚取って、持ち物を三つ書いた。
「これを、財布に入れておいてください。鞄ではなく、財布です」
リュウは笑って、そのメモを財布にしまった。 一か月後には、同じ場所にカードが入ることになる。 忘れ物をしないようにするコツを、彼はこの窓口で二度も教わった。
