和尚さんと小僧(二の一)
ある日、和尚さんは、御法事に呼ばれて行って、小僧が一人でお留守番をしていました。 お経を読みながら、うとうと居眠りをしていますと、玄関で、
「ごめん下さい。」
と人の呼ぶ声がしました。 小僧があわてて、目をこすりこすり、行ってみますと、お隣のおばあさんが、大きなふろしき包みを持って来て、
「おひがんでございますから、どうぞこれを和尚さんに上げて下さい。」
といって、置いて行きました。 小僧はふろしき包みを持ち上げてみますと、中から温かそうな湯気が立って、ぷんとおいしそうな匂いがしました。 小僧は、
「ははあ、おひがんでお団子をこしらえて持って来たのだな。これを和尚さんにこのまま渡してしまえば、どうせけちんぼで欲ばりの和尚さんのことだから、みんな自分で食べてしまって、一つもくれないにきまっている。よしよし、ちょうどいい、ねむけざましに食べてやれ。」
