こぎつねと嵐
森の空が、だんだん暗くなってきた。 遠くで、ゴロゴロと音がする。 もうすぐ、大きな雨が降りそうだ。
その日は、こぎつねが初めて一人で外に出た日だった。 こぎつねは、雨に濡れないように、急いで隠れる場所を探した。
まず、大きな木の下に行ってみた。 でも、葉っぱの間から、ぽつぽつと水が落ちてくる。 ここでは、濡れてしまうようだ。
次に、岩のそばに行ってみた。 でも、風が強くて、とても寒い。 ここも、だめみたいだ。
こぎつねは、心細くなって、小さな声で鳴いた。
そのとき、近くの穴から、母さんぎつねが顔を出した。
「こわがらないで。こっちに来て。ここなら、安心だよ」
こぎつねは、急いで穴の中に入った。 中は、暖かくて、乾いていた。
外では、とうとう大きな雨が降り始めた。 でも、母さんのそばにいれば、もう怖くない。
「雨がやんだら、また一緒に遊ぼうね」と、母さんが言った。
こぎつねは、うなずいた。 次に外を楽しむときは、もっと上手に、隠れる場所を見つけられるだろう。 そう思いながら、こぎつねは、静かに目を閉じた。
