最後の机
廊下に部活の机が並んでいた。 莉子と湊は一年生だ。
「私、吹奏楽部にする。音楽が大好きだから」と莉子が言った。
「僕は嫌だな。うるさいのは大嫌い」と湊が言った。
湊は科学部の机の前で止まった。 莉子は机の上の虫の写真を見て、後ろに下がった。
「無理。虫は大嫌い。」
「じゃあ美術部は。僕、絵は得意だよ」と湊が言った。
「私は下手。興味ない。」
一番小さい机に、写真部の先輩がいた。 先輩は一枚の写真を見せた。 学校の猫だった。
「あ、この猫、気に入った」と莉子が言った。
「ここ、静かでいいね」と湊が言った。
二人は同じ紙に名前を書いた。 趣味も好みも全然違うけど、部活は同じになった。
