本棚の足
日曜日の朝、ゆうきとまりは本棚の箱を部屋の真ん中に置いた。 箱には「二人で組み立てることをおすすめします」と書かれていた。
「二人いるから大丈夫」とゆうきが言った。
説明書には字がほとんどなく、絵ばかりだった。 まりはねじを長さごとに床に並べておいた。 長いねじが十二本、短いねじが二十本、それから名前の分からない部品が四つ。
「このねじとこのねじ、同じに見えるんだけど」とまりが言った。
「たぶん同じだよ」
家にある工具は、百円の店で買った小さいドライバーが一本だけだった。 ゆうきが十分回すと手が痛くなって、まりと交代した。
一時間後、二人は最初からやり直した。 短いねじを使うところに長いねじを使ったので、板の裏まで先が出てしまったのだ。 「最初に説明書をよく見ればよかったね」とまりが言った。
説明書の絵の中の人はずっと笑っているのに、部屋の二人はもう一言もしゃべらなくなっていた。
二時間後、本棚はやっと立った。 少し揺れたが、まりが「こんなものでしょ」と言った。 二人は写真を撮って、それからまりは本を下の棚に入れ始めた。
「ねえ、ゆうき」
まりが天井のほうを指さした。 本棚の一番上の板に、小さい黒いゴムの足が四つ、上を向いてついていた。
「これ、逆さまじゃない?」
ゆうきは説明書をもう一度開いた。 一ページ目の一番上に、大きい字で「板の上下に注意してください」と書いてあった。
