短くなる日本の夜
午前三時に、温かい食べ物とコーヒーが買える国は、そんなに多くない。 日本の夜は、長い間、世界でも珍しいほど「開いて」いた。
一つ目は、コンビニだ。 全国に五万軒以上あり、その多くが二十四時間営業だ。 年間を通して、正月も台風の日も、基本的には同じように開いている。
二つ目は、物流だ。 夜中にスマートフォンで注文した品物は、私たちが寝ている間にトラックで運ばれ、朝には家に届く。 夜の高速道路は、今もトラックでいっぱいだ。
三つ目は、夜そのものを売る仕事だ。 夜行バス、二十四時間のジム、カラオケ、深夜のスーパー。 こうして日本の夜の経済は、長い間、成長を続けてきた。
しかし、この便利さは、夜に働く人がいて初めて成り立つ。 近年、その人がなかなか集まらなくなってきた。 二〇一九年には、大手のコンビニチェーンが、二十四時間営業をやめる実験を実施した。 夜だけ閉める店は、まだ全体の数パーセントにすぎない。 それでも、「夜は開いているのが当たり前」という考え方は、少しずつ変わり始めている。
便利さを取るか、働く人の時間を取るか。 答えはまだ出ていない。 ただ、これまで長くなるばかりだった日本の夜が、今、初めて少し短くなっているようだ。
