おじいさんのレコード
おじいさんの家の押し入れから、古いレコードが出てきた。
「これ、何?」と僕は聞いた。
「ああ、それか」とおじいさんは笑った。 「私が若いとき、よく聞いたレコードだよ」
おじいさんは、レコードを大事そうに持った。
「学生のとき、このレコードを買った。お金がなかったから、一枚買うのも大変だった」
「へえ」
「おばあさんと初めて会ったときも、この歌が流れていたよ」
おじいさんの部屋には、古いテープレコーダーも、フィルムのカメラもあった。
「今の物は便利だ。でも、私はこの音が、一番好きだ」
おじいさんはレコードを機械に置いた。 古い音楽が、ゆっくり流れ始めた。
おじいさんは目を閉じて、聞いていた。 僕も隣で、一緒に聞いた。
