文福茶がま(二の一)
茶がまを買ったくず屋は、うちへ帰ってもまだにこにこして、「これはこのごろにない掘り出しものだ。どうかして道具ずきなお金持ちをつかまえて、いい価に売らなければならない。」 こう独り言を言いながら、その晩はだいじそうに茶がまをまくら元に飾って、ぐっすり寝ました。 すると真夜中すぎになって、どこかで、「もしもしくず屋さん、くず屋さん。」と呼ぶ声がしました。 はっとして目をさましますと、まくら元にさっきの茶がまがいつの間にか毛むくじゃらな頭と太いしっぽを出して、ちょこなんと座っていました。 くず屋はびっくりして、はね起きました。
「やあ、たいへん。茶がまが化けたぞ。」
「くず屋さん、そんなにおどろかないでもいいよ。」
「だっておどろかずにいられるものかい。茶がまに毛がはえて歩き出せば、だれだっておどろくだろうじゃないか。いったいお前は何だい。」
