注意報と警報のあいだ
天気のニュースを聞いていると、「注意報」や「警報」という言葉が一年に何度も流れる。 音としては全ての人が知っているが、二つがどう違うのかを説明できる人は多くない。
違いは、危険の大きさである。 注意報は、気をつけてほしいという知らせだ。 警報は、それより大きな危険があるときに出される。 二〇一三年には、さらに強い「特別警報」がこれに加わった。 この三つに共通しているのは最後の「報」という字で、知らせるという意味を持つ。 同じ字は、電報や情報にも使用されている。
もう一つ、警報には必ず何の警報かが付く。 大雨警報、洪水警報、津波警報。 前の部分が、何が起こりそうかを表している。 洪水とは川の水があふれることで、土砂崩れとは山や崖の土が下に落ちることだ。 津波は、海の底が動いたあとに海水が岸へ向かって進む出来事を指す。 強い風の警報では、風で木が倒され、物が飛ぶことが考えられている。
一方、火災の警報は、天気予報とは別に、市や町が出す。 空気が乾いて風が強い日は、火事が起こりやすいからだ。 火事のときに動くのは消防で、そこで使われるのは「救助」という言葉である。 救助は、人がすでに危ない場所にいることを前提にした言葉だ。
警報が出ると、学校が児童を早く帰したり、列車が止まったり、勤め先が仕事を早めに終わらせたりすることがある。 ただし、それは警報そのものが命じているのではない。 警報は個人にも会社にも命令をしない。 決めているのは、それぞれの学校であり、会社である。 早めに知らせることで、備える時間を作るのが目的なのだ。
だから、注意報も警報も特別警報も、まだ起きていないことについての言葉である。 消防や救助は、もう起きたことについての言葉だ。 同じニュースの中で続けて流れても、二つが指している時間は同じではない。
