誰に向けて売るのか
最近、デパートの売り場が、大きく変わってきている。 以前は、若者向けの商品が中心だった。 しかし今は、高齢者向けの売り場が、少しずつ広くなっている。
例えば、ある大手のデパートでは、七階のフロア全体を、シニア向けの商品にした。 ここに並んでいるのは、若い人向けの派手な服ではない。 体に優しく、着やすさを第一に考えた服だ。 ボタンが大きく、手が不自由な人にも扱いやすい。
食品売り場も、年齢によって、選び方が変わってきた。 塩分を控えた食事や、健康の管理に役立つ商品が増えている。 これらの多くは、体のことを気にする高齢のお客様向けに作られたものだ。 中には、一人分ずつ包まれた惣菜も含まれている。 少人数の家庭に合わせた工夫である。
もちろん、若者向けの売り場がなくなったわけではない。 ただ、店は、客の年齢によって、売り場の作り方を変えているのだ。 誰に向けて売るのか。 この「向き」を考えることが、これからの店にとって、ますます大切になっていくだろう。
同じ商品でも、見せ方によって、売れ行きは大きく変わる。 「誰向けの店か」という問いに、はっきり答えられる店だけが、これからも選ばれていくのかもしれない。
