二十八度
(十二月の夜、アパートの部屋)
しゅん:ねえ、エアコン、また二十八度になってるんだけど。
かずき:寒いんだよ。俺、朝からずっと座って勉強してるから。
しゅん:二十八は暑いって。さっきから汗かいてる。
かずき:じゃあ、上着を脱げばいいじゃん。
しゅん:もう脱いでる。これ以上脱げないよ。
かずき:こっちは靴下二枚はいてるよ。もう着るものがない。
しゅん:窓、開けようか。
かずき:エアコンつけて窓開けるの、一番だめなやつだろ。
しゅん:電気代も上がってるんだよ。先月、二人で一万二千円。
かずき:それ、エアコンだけの話じゃないだろ。しゅんの部屋、夜中まで電気ついてるし。
しゅん:あれは仕事。仕事は消せない。
かずき:勉強も消せないよ。
しゅん:……二十四度でどう。
かずき:無理。二十六。
しゅん:二十五。
かずき:二十六。
しゅん:もういい。
かずき:うん、もういい。
(しゅんは自分の部屋に入って、ドアを閉めた。かずきはエアコンを二十八度のままにした。)
