ペットボトル
日曜日の朝、川の横の道に人が集まっていた。 今日は町のマラソンだ。
「お母さん、お父さんはまだ?」と男の子が聞いた。 手に小さいペットボトルを持っている。
「もうすぐよ。お父さんは一万メートル走るんだから」とお母さんが言った。
「一万!」
「そう。だから、今はまだ半分ぐらいね」
十分後、青いシャツの人たちが走ってきた。
「あっ、お父さんだ!」
男の子は道の横に立って、ペットボトルを高く上げた。 でも、お父さんは前だけ見て、走っていった。
「……行っちゃった」と男の子が言った。
「気がつかなかったのね」とお母さんが言った。 「大丈夫。この道は、もう一回通るから。」
男の子はペットボトルを持って、待った。 だんだん暑くなった。 男の子は少し飲んだ。 それから、もう少し飲んだ。
また青いシャツが見えた。 今度はお父さんがこっちを見て、手を上げた。
「お父さん、はい!」
お父さんはペットボトルを取って、飲んだ。 そして、大きい声で言った。
「ありがとう!……軽いな!」
「あっ」と男の子が言った。 「半分、僕が飲んだ。」
