王さまと靴屋(二)
王さまは、なるほどじぶんがまちがっていた、と思って、こんどはやさしく、
「おまえの名まえを教えておくれ。」とたのみました。
「わしの名まえは、マギステルだ。」とじいさんは、やっと名まえを教えました。
そこで王さまは、「マギステルのじいさん、ないしょのはなしだが、おまえはこの国の王さまはばかやろうだとおもわないか。」とたずねました。
「おもわないよ。」とマギステルじいさんはこたえました。
「それでは、こゆびのさきほどばかだとはおもわないか。」と王さまはまたたずねました。
「おもわないよ。」とマギステルじいさんはこたえて、靴のかかとをうちつけました。
「もしおまえが、王さまはこゆびのさきほどばかだといったら、わしはこれをやるよ。だれもほかにきいてやしないから、だいじょうぶだよ。」と王さまは、金の時計をポケットから出して、じいさんのひざにのせました。
「この国の王さまがばかだといえばこれをくれるのかい。」
