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一番下の瓶
朝から暑い日だった。 楓は家族と川へ行く。 台所でクーラーボックスに飲み物を入れていた。
お父さんのビール、お母さんの紅茶、おじいちゃんとおばあちゃんのミネラルウォーター、それから自分と兄のジュース。
飲み物は全部で六本になった。
でも、ふたが閉まらない。 楓は上から押した。 閉まらない。
一度、全部出した。 ボックスの一番下に、大きい瓶があった。 お酒だ。
「お兄ちゃん、これ、何?」
樹が台所に来て、笑った。 「僕のお酒だよ。朝、一番先に入れたんだ」
楓は瓶を出して、六本を入れ直した。 今度は、ふたがすぐ閉まった。
「お兄ちゃんの分は、入らなかった」と楓は言った。