五年後の桜
けんたは久しぶりに公園に来た。 空はよく晴れて、暖かい風が吹いていた。 公園には、花見をする家族や学生がたくさんいた。 桜がきれいに咲いていた。 今日は、五年ぶりにみさきと花見をする約束だった。 大学を出てから、二人はそれぞれ忙しくなって、なかなか会えなくなっていた。
「けんた、久しぶり!」と後ろから声がした。
みさきだった。 けんたは少しどきどきしていたが、みさきの顔を見ると、すぐに昔の気持ちに戻った。 二人は桜の木の下に並んで座った。 暖かい風が吹いて、ピンクの花びらが少しずつ落ちていた。
「みさき、全然変わってないね。」とけんたは笑った。
「そう?私はけっこう変わったよ。」とみさきは言った。 「昔は人と話すのが苦手だったのに、今は仕事でたくさん話せるようになったよ。」
「すごいね。僕は今、小さな会社で働いているよ。」とけんたが答えた。 「学生のころは、こんな日が来るとは思わなかったな。」とみさきが言った。
けんたは少し驚いて、それから懐かしい気持ちになった。 学生のころ、二人はいつもこの公園で話していた。
「覚えてる?昔、二人でここの桜を見ながら、将来の話をしたよね。」とみさきが聞いた。
「もちろん覚えてるよ。あのころは、毎日が長く感じたなあ。」
「でも、こうやってまた会えると、五年なんてあっという間だね。」とみさきが言った。
「色々変わったね。」とけんたは言った。
「うん。でも、桜はあのころと同じだね。」とみさきは笑った。
風が吹くと、桜の花びらが二人の上に静かに落ちてきた。 けんたは、また来年もここで花見をしようと思った。 町も二人も変わったが、桜の下で笑うこの時間は、昔と何も変わっていなかった。 二人は、しばらく桜を見上げていた。
