花咲かじじい(一)
むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがありました。
正直な、人のいいおじいさんとおばあさんどうしでしたけれど、子どもがないので、飼犬の白を、ほんとうの子どものようにかわいがっていました。 白も、おじいさんとおばあさんに、それはよくなついていました。
すると、おとなりにも、おじいさんとおばあさんがありました。 このほうは、いけない、欲ばりのおじいさんとおばあさんでした。 ですから、おとなりの白をにくらしがって、きたならしがって、いつもいじのわるいことばかりしていました。
ある日、正直おじいさんが、いつものようにくわをかついで、畑をほりかえしていますと、白も一緒についてきて、そこらをくんくんかぎまわっていましたが、ふと、おじいさんのすそをくわえて、畑のすみの、大きなえのきの木の下までつれて行って、前足で土をかき立てながら、
「ここほれ、ワン、ワン。ここほれ、ワン、ワン」となきました。
「なんだな、なんだな」と、おじいさんはいいながら、くわを入れてみますと、かちりと音がして、穴のそこできらきら光るものがありました。 ずんずんほって行くと、小判がたくさん、出てきました。 おじいさんはびっくりして、大きな声でおばあさんをよびたてて、えんやら、えんやら、小判をうちのなかへはこび込みました。
正直なおじいさんとおばあさんは、きゅうにお金持ちになりました。
