町の印刷屋
町の小さな印刷屋は、今どうやって残っているのだろうか。
昔、印刷を頼む人は、紙の原稿を持って店に行った。 店の人はそれを預かって、機械にかけた。 文字は職人の手で一つずつ並べられた。 名刺一枚でも、一週間かかることがあった。
今は違う。 注文はインターネットで受けるようになった。 お客さんは家からデータを送るだけでいい。 店の人はそのデータをダウンロードして、そのまま印刷する。 急ぐ人なら、その日のうちに受け取れる。
そのため、注文は大きな会社に集まりやすくなった。 安くて速いからだ。 小さな店は、値段では勝てない。
それでも、町の印刷屋は消えていない。 ある店の社長は、こう話す。 「うちに来るお客さんは、相談したいんです。この紙でいいか、この色でいいか。画面の色と、紙の色は違いますから」
店には、いろいろな紙が置いてある。 触って、光に当てて、選ぶ。 そういう注文は、データを送るだけでは終わらない。
これから、印刷の仕事はもっとインターネットに移るかもしれない。 それでも、紙を手に取って決めたい人は残るだろう。 町の印刷屋が生きているのは、機械が新しいからではない。 そこで話ができるからだ。
