もったいないと金継ぎ
日本語に「もったいない」という言葉がある。 まだ使えるものを捨てるときの、残念な気持ちを表す言葉だ。
茶碗が割れてしまったら、普通は捨てなければならないと思うだろう。 しかし日本には、昔から「金継ぎ」という直し方がある。 割れたところを漆でつけて、その線の上に金の粉を置く。 時間はかかるが、茶碗はまた使えるようになる。
面白いのは、直したところを隠さないことだ。 ほかの国では、どこが割れたか分からないように直すことが多いようだ。 金継ぎは反対で、割れた線が金色に光って、遠くからでもよく見える。
新しい茶碗を買うほうが、ずっと安い。 それでも金継ぎを選ぶ人がいるのは、その茶碗が大切だからだ。 母が使っていた茶碗や、旅行で買った茶碗は、店に行っても同じものは売っていない。
物を長く使うために、直す。 それが「もったいない」の考え方だ。 金継ぎで直した茶碗は、割れる前より高く売れることもあるそうだ。 捨てなくてよかった、と思う人が多いのだろう。
