去年の木(三)
小鳥は村のほうへとんでいきました。
ランプのそばに女の子がいました。
そこで小鳥は、
「もしもし、マッチをごぞんじありませんか。」
とききました。
すると女の子は、
「マッチはもえてしまいました。けれどマッチのともした火が、まだこのランプにともっています。」
といいました。
小鳥は、ランプの火をじっとみつめておりました。
それから、去年の歌をうたって火にきかせてやりました。 火はゆらゆらとゆらめいて、こころからよろこんでいるようにみえました。
歌をうたってしまうと、小鳥はまたじっとランプの火をみていました。 それから、どこかへとんでいってしまいました。
