発表まであと五分
発表まで、あと五分。 まゆは体育館の隅で、ただ一人、電話の画面をじっと見ていた。
今日の試合は、これまでで一番競った試合だった。 相手との差は、ほんのわずか。 勝ったのか、負けたのか、自分でも分からない。
まゆがこの大会に出るのは、もう五度目だ。 過去の四度は、すべてあと一歩のところで負けてきた。 だから今回は、勝ちたくてたまらない。
その気持ちが強ければ強いほど、結果を知るのが怖くてたまらなかった。
画面を見つめていると、心臓の音が耳の奥で鳴っている。 もし今回も負けたら、と考えると、指先が冷たくなる。 非常に嫌な想像ばかりが、頭に浮かんでくる。
「もう、見るのをやめようかな。」
そんな弱気な言葉が、口から出そうになる。 四年間、このためだけに練習してきた。 それなのに、今は結果から逃げ出したくてたまらない。
その時、画面が光った。 結果が出たのだ。
まゆは目を閉じた。 見たくてたまらないのに、見るのが怖くてたまらない。 唯一できることは、深く息を吸うことだけだった。
まゆは、そっと目を開けた。 画面に並ぶ数字を見て、まゆの目から涙がこぼれた。 それが嬉しさの涙なのか、悔しさの涙なのか、まゆ自身にも、すぐには分からなかった。
