水曜日の晩の教室
水曜日の晩、市民センターの狭い部屋に十人が集まった。 日本語の教室が始まる。
「皆さん、こんばんは。名前を片仮名で書いてください」と講師の岩村が言った。
ペドロはブラジルで生まれた。 昼は果物の店で働いている。 日本語で話す友達が欲しくて、この教室に来た。
岩村が一人ずつ聞いていく。 眼鏡の男の人は、昼は中学校の教師だ。 後ろの二人は高校生で、同じ学校の同級生だ。
「ここでは皆さん、生徒です。外では、学生や、先生や、いろいろですね」と岩村は言った。
「先生は、昼は何をしていますか」とペドロが聞いた。
岩村は笑った。 「私も、昼は大学生です。日本語の教え方を勉強しています」
「じゃあ、僕たちはクラスメートですね」とペドロが言った。
