今日はおじさんが生徒
修一:めい、それ全部借りるのか。六冊もあるぞ。
めい:うん。夏休みの分だから。
修一:重いから、半分はおじさんが持つよ。それより、あの機械で自分で借りられるんだって。おじさんが教えてやる。
めい:うん。
修一:えっと、まずカードを入れて……あれ。入らないな。
めい:あ、それ、たぶん入れるんじゃなくて、置くんだと思う。
修一:置く?
めい:うん。この光ってるところに、ぺたって。
修一:……ああ、なるほど。ほら、ついた。
めい:ついた。
修一:じゃあ次は本だな。ここに一冊ずつ乗せて……あれ、音がしない。
めい:おじさん、あのね、私も最初、同じところで止まったんだけど。
修一:うん?
めい:本のカバー、付いてると読めないことがあるみたい。取ってから乗せてみて。
修一:カバー……ああ、図書館のシールが隠れてるのか。
めい:たぶん。
(機械がピッと鳴る)
修一:お、鳴った。六冊とも入ったぞ。
めい:レシートも出てきた。返す日が書いてあるから、捨てないでね。
修一:はいはい。……めい、今日は君のおかげで借りられたな。
めい:ううん。私も知らなかったし。
修一:いや、二回とも直してくれたじゃないか。
めい:あのね、……先月ここで、同じところで止まったの。それで、係の人に教えてもらった。私はそれを言っただけ。
修一:それでいいんだよ。じゃあ、返すときはどうするんだ。
めい:あっちの入り口の横に箱があるから、そこに入れる。閉まってる日でも入れられるよ。
修一:ほら、それも知らなかった。
めい:あと、上の階に大きい本の部屋があるの。エレベーターで行けるよ。
修一:そんな部屋、あったか。
めい:去年できた。地図とか、写真の本とか、大きいのばっかり。
修一:……おじさん、今日は生徒だな。また来月も来るか。今度はおじさんが、何か教える番だ。
めい:じゃあ、自転車のパンクの直し方。
修一:……それは、任せろ。
