倉庫の猫
僕は倉庫の猫だ。 名前はミケ。 夜、この倉庫にいるのは、田口さんと僕だけだ。
十時。 田口さんが一階を歩く。 僕も一緒に歩く。
零時。 田口さんが二階を歩く。 僕も一緒に歩く。
二時。 田口さんが外を歩く。 僕も一緒に歩く。
零時の後、田口さんは机の前でご飯を食べる。 箸で魚を取って、少し僕にくれる。 本当に少しだけだ。 「猫は魚を食べすぎるとだめだよ」と田口さんは言う。
金曜日の夜、田口さんは魚を全部僕にくれた。 「明日から二日、休みだよ」と田口さんは言った。
土曜日の夜、倉庫は暗かった。 誰も歩かない。
だから僕が、一階を歩いて、二階を歩いて、外を歩いた。
