廊下の声
ゆいは職員室のドアを開けた。
「失礼します。三年二組のゆいです。遠足の紙、遅くなってすみません」
「ありがとう。……あれ、名前が書いてないね」と先生が言った。
「あ、すぐ書いてきます」
廊下に出ると、はるとがいた。
「はると、ペン貸して」とゆいが言った。
「えー、自分のは?」
「教室。一分でいいから、お願い」
はるとはペンを出した。 そして、先生の真似をした。
「はい、ゆいさん。ちゃんと名前を書きましょうね」
ゆいが笑った。 そのとき、職員室のドアが開いて、先生が出てきた。
「二人とも、廊下で何をしているんですか」
「あ、すみません。すぐ戻ります」とはるとが言った。
ゆいは、はるとの顔を見た。 さっきの声と全然違った。
