同じ声
朝、窓の外で鳥が言う。
「ピピッ」
いつも同じ声だ。 なつが窓を見る。 でも、鳥はもういない。 その鳥は小さいから、外を見ても分からない。
「その鳥、いつも同じだね」となつが言った。
「うん」とお母さんが言った。
次の朝も、「ピピッ」。 その次の朝も、「ピピッ」。
「また来た」となつが言った。
お母さんは笑うだけだった。
ある朝、なつが窓の前で言った。
「ピピッ」
外の鳥が言った。
「ピピッ」
それから、お母さんも、小さい声で言った。
「ピピッ」
なつが笑った。 お母さんも笑った。
今、家の朝は、いつもそうだ。
