反対の道
四時に学校が終わった。 ゆいとは先生にさようならを言って、門を出た。
お母さんはまだ来ない。 ゆいとはあっちの道を見ていた。 初めはつまらないだけだった。 だんだん不安になった。 しかし、泣かなかった。 三年生だから。
四時半。 ほかの子どもは、もう一人もいない。 それが恥ずかしくて、ゆいとはズボンを見ていた。
五時。 風が冷たい。 ゆいとは悲しくなった。 ゆいとは門の石を三回数えた。
そうして、お母さんが走ってきた。 あっちの道ではなく、ゆいとの後ろからだった。 ゆいとが見ていたのは、反対の道だった。
お母さんはごめんなさいと何度も言った。 ゆいとは悲しくなかった。 おなかがすいただけだった。
