花咲かじじい(二)
すると、おとなりの欲ばりおじいさんが、それをきいてたいへんうらやましがって、さっそく白をかりにきました。 正直おじいさんは、人がいいものですから、うっかり白をかしてやりますと、欲ばりおじいさんは、いやがる白の首になわをつけて、ぐんぐん、畑のほうへひっぱって行きました。
「おれの畑にも小判がうまっているはずだ。さあ、どこだ、どこだ」 といいながら、よけいつよくひっぱりますと、白は苦しがって、やたらに、そこらの土をひっかきました。
欲ばりおじいさんは、「うん、ここか。しめたぞ、しめたぞ」といいながら、ほりはじめましたが、ほっても、ほっても出てくるものは、石ころやかわらのかけらばかりでした。 それでもかまわず、やたらにほって行きますと、ぷんとくさいにおいがして、きたないものが、うじゃうじゃ、出てきました。 欲ばりおじいさんは、「くさい」とさけんで、鼻をおさえました。 そうして、腹立ちまぎれに、いきなりくわをふり上げて、白のあたまから打ちおろしますと、かわいそうに、白はひと声、「きゃん」とないたなり、死んでしまいました。
正直おじいさんとおばあさんは、あとでどんなにかなしがったでしょう。 けれども死んでしまったものはしかたがありませんから、涙をこぼしながら、白の死骸を引きとって、お庭のすみに穴をほって、ていねいにうずめてやって、お墓の代りにちいさいまつの木を一本、その上にうえました。 するとそのまつが、みるみるそだって行って、やがてりっぱな大木になりました。
