ねずみの嫁入り(四)
「まあ、あなたよりもえらい方があるのですか。それはどなたでございますか。」
「それはだれでもない、そういうねずみさんさ。わたしがいくらまっ四角な顔をして、固くなって、がんばっていても、ねずみさんはへいきでわたしの体を食い破って、穴をあけて通り抜けていくじゃないか。だからわたしはどうしてもねずみさんにはかなわないよ。」
「なるほど。」
とねずみのおとうさんは、こんどこそほんとうにしんから感心したように、ぽんと手を打って、
「これは今まで気がつかなかった。じゃあわたしどもが世の中でいちばんえらいのですね。ありがたい。ありがたい。」
とにこにこしながら、いばって帰っていきました。そして帰るとさっそく、お隣のちゅう助ねずみを娘のお婿さんにしました。
若いお婿さんとお嫁さんは、仲よく暮らして、おとうさんとおかあさんをだいじにしました。 そしてたくさん子供を生んで、お倉のねずみの一家はますます栄えました。
