一番大事なかばん
来週、東京に引っ越す。 今日は、大きい荷物を先に駅まで運びたい。 でも、荷物が重いから、一人では持てない。
私は姉に頼んだ。 「ねえ、自転車を貸して。」
「いいよ。でも、気をつけてね」と姉が言った。
私は荷物を自転車の後ろに載せて、すぐに家を出た。
駅までの道は坂が多い。 荷物が重くて、自転車が右や左に動く。 坂の下で、箱が一つ、道に落ちた。 中から、私のくつが出てきた。
私はくつを拾って、また自転車に載せた。 今度はゆっくり進んだ。
やっと駅に着いた。 全部おろして、ほっとした。 その時、電話が鳴った。 姉だ。
「けん、一番大事なかばん、まだ家にあるよ。」
