十本連続
体育館の時計は六時を指していた。 ほかの部員はもう帰って、れんとかずま先生だけが残っている。
れんはボールを高く上げて、思い切り打った。 ボールはネットに当たって、足元に落ちた。
「今日、何本入った?」とかずまが聞いた。
「三本です。三十本打って、三本」とれんが答えた。
かずまはボールを拾って、れんに渡した。 「上げ方を見てる。上げるとき、体が前に出てるだろう」
「はい」
「上げたボールが前に行けば、打つとき体が追いかける。追いかければ、手が下から出る。下から出れば、ネットだ」
れんは息を吐いて、ボールを二回ついた。 それからもう一度上げた。 今度は、ボールが顔の前に上がった。 打つと、ボールはネットの上を通って、向こうのコートに落ちた。
「入った」とれんが小さく言った。
「もう一本」
れんは打った。 入った。 次も入った。 その次はネットだった。
「十本連続で入れば、今日は終わりにしよう」とかずまが言った。
れんは七本入れて、八本目を外した。 それからまた一本目から始めた。
土曜日の試合まで、あと四日ある。 れんは十一本入れてから、やっと水を飲みに行った。
