金太郎(一の二)
と言いました。 金太郎は、「よし、よし。」とうなずいて、みんな家来にしてやりました。
それからは金太郎は、毎朝おかあさんにたくさんおむすびをこしらえて頂いて、森の中へ出かけて行きました。 金太郎が口笛を吹いて、
「さあ、みんな来い。みんな来い。」
と呼びますと、熊を頭に、鹿や猿やうさぎがのそのそ出て来ました。 金太郎はこの家来たちをお供に連れて、一日山の中を歩きまわりました。 ある日方々歩いて、やがてやわらかな草の生えている所へ来ますと、みんなは足を出してそこへごろごろ寝ころびました。 日がいい心持ちそうに当たっていました。 金太郎が、
「さあ、みんなすもうを取れ。ごほうびにはこのおむすびをやるぞ。」
と言いますと、熊がむくむくした手で地を掘って、土俵をこしらえました。
はじめに猿とうさぎが取り組んで、鹿が行司になりました。 うさぎが猿のしっぽをつかまえて、土俵の外へ持ち出そうとしますと、猿がくやしがって、むちゃくちゃにうさぎの長い耳をつかんでひっぱりましたから、うさぎはいたがって手をはなしました。 それで勝負がつかなくなって、どちらもごほうびがもらえませんでした。
こんどはうさぎが行司になって、鹿と熊が取り組みましたが、鹿はすぐ角ごと熊にひっくり返されてしまいました。 金太郎は、
「おもしろい、おもしろい。」
