かちかち山(一の三)
と言いながら、すぐにお膳の前に座りました。そして、たぬきのおばあさんのお給仕で、
「これはおいしい、おいしい。」
と言って、舌つづみをうって、ばばあ汁のおかわりをして、夢中になって食べていました。それを見てたぬきのおばあさんは、思わず、「ふふん。」と笑うひょうしにたぬきの正体を現しました。
「ばばあくったじじい、
流しの下の骨を見ろ。」
とたぬきは言いながら、大きなしっぽを出して、裏口からついと逃げていきました。
おじいさんはびっくりして、がっかり腰をぬかしてしまいました。そして流しの下のおばあさんの骨をかかえて、おいおい泣いていました。
すると、 「おじいさん、おじいさん、どうしたのです。」 と言って、これも裏の山にいる白うさぎが入って来ました。
「ああ、うさぎさんか。よく来ておくれだ。まあ聞いておくれ。ひどい目にあったよ。」
とおじいさんは言って、これこれこういうわけだとすっかり話をしました。うさぎはたいそう気の毒がって、
「まあ、それはとんだことでしたね。けれどかたきはわたしがきっととって上げますから、安心していらっしゃい。」
とたのもしそうに言いました。おじいさんはうれし涙をこぼしながら、
「ああ、どうか頼みますよ。ほんとうにわたしはくやしくってたまらない。」 と言いました。
「大丈夫。あしたはさっそくたぬきを誘い出して、ひどい目に合わしてやります。しばらく待っていらっしゃい。」
とうさぎは言って、帰っていきました。
