だれの名前で
土曜日の朝、ゆうすけはパン屋に電話をした。 あんパンを五つ、ゆうすけの名前で頼んだ。
でも、急に用事ができた。 ゆうすけは友達のだいちに、「悪いけど、パン屋で取ってきて」と頼んだ。
パン屋で、店の人が「お名前は?」と聞いた。
だいちは考えないで、「だいちです」と答えた。
店の人は、白い大きい箱を持ってきた。 その日、店にはもう一つ、「だいち」という名前の予約があった。
だいちは家に帰って、その箱を開けた。 中は大きいケーキだった。 上に「だいちくん、おめでとう」と書いてあった。
「ええっ、あんパンは?」とゆうすけが言った。
だいちはケーキを見て、静かに言った。 「……いただきます」
