よく聞くのは掃除機
みかの家に、新しい掃除機が来た。 丸くて、白くて、人の言葉が分かる掃除機だ。
日曜日の朝、お母さんが言った。 「掃除機、部屋を掃除しましょう。」
掃除機は動き始めた。 でも、床にはみかの靴下があった。 みかの一番好きな、赤い靴下だ。 掃除機は靴下の上を通って、靴下は掃除機の中に入った。
「あっ、私の赤い靴下!」とみかが言った。 「止まって!」
掃除機は止まった。 ドアの前で、動かなくなった。
昼ご飯のとき、家族はみんな、ドアの前の掃除機をよけて歩いた。 お母さんが聞いた。 「どうして動かないの。」
「私が止まってって言ったとき、止まったから」とみかが答えた。
夜になった。 お母さんがみかに言った。 「みか、宿題をしましょう。」
みかはテレビを見ていた。 動かない。 でも、掃除機が動き始めた。 そして、みかの部屋に入って、机の下を掃除した。
お母さんは掃除機を見て、それからみかを見た。 「うちで一番よく人の話を聞くのは、掃除機ね。」
みかは何も言わないで、宿題をしに部屋へ行った。
