雷のさずけもの(一の二)
お百姓は、
「ははあ、なるほど、これが話に聞いた雷かな。何だ、こんなちっぽけな、子供みたいなものなのか。」
と思いながら、半分は気味が悪いので、いきなり鍬を振り上げて、打ち殺そうとしますと、雷は気がついて、あわててお百姓を止めました。
「まあ、そんな乱暴なまねをしないで下さい。つい雲を踏みはずして落ちてきただけで、何もあだをするのではありませんから、どうぞ勘弁して下さい。」
こう雷はいって、手を合わせました。 お百姓は、
「雷、雷って、どんなにこわいものかと思ったら、一度落ちると、からきし、いくじのないものだ。」
と思って、
「じゃあかわいそうだから助けてやる。だがこんどから落ちることはならないぞ。そのたんびにびっくりするからな。」
といって、許してやりました。
すると雷は大そうよろこんで、
「どうもありがとう。何かお礼をさし上げたいが、あいにく何も持って来ませんでした。何でもほしい物があったらいって下さい。空に帰ったら、きっとおくって上げますから。」
