電信柱と妙な男(二)
「しかし、小男さん。おまえさんは、なぜ、いまごろ歩くのだ。」と、電信柱は聞いた。
妙な男はいうに、俺は世の中の人がみんなきらいだ。 だれとも顔を合わせるのがいやだから、いま時分歩くのだ。 と答えた。 それはおもしろい。 これから友だちになろうじゃあありませんかと、電信柱は申し出た。
妙な男は、すぐさま承諾していうに、「電信柱さん、世間の人はみんなきらいでも、おまえさんは好きだ。これからいっしょに散歩しよう。」といって、二人はともに歩き出した。
しばらくすると、妙な男は、小言をいい出した。
「電信柱さん、あんまりおまえは丈が高すぎる。これでは話しづらくて困るじゃないか。なんとか、もすこし丈の低くなる工夫はないかね。」といった。
電信柱は、しきりに頭をかしげていたが、「じゃ、しかたがない。どこか池か河のふちへいきましょう。私は水の中へ入って歩くと、おまえさんとちょうど丈の高さがおりあうから、そうしよう。」といった。
