赤い蝋燭(三)
亀は元気を出して花火の方へやって行きました。 だがうまく火をつけることが出来たでしょうか。 いえ、いえ。 亀は花火のそばまで来ると首が自然に引込んでしまって出て来なかったのでありました。
そこでくじがまたひかれて、こんどは鼬が行くことになりました。 鼬は亀よりは幾分ましでした。 というのは首を引込めてしまわなかったからであります。 しかし鼬はひどい近眼でありました。 だから蝋燭のまわりをきょろきょろとうろついているばかりでありました。
遂々猪が飛出しました。 猪は全く勇しい獣でした。 猪はほんとうにやっていって火をつけてしまいました。
みんなはびっくりして草むらに飛込み耳を固くふさぎました。 耳ばかりでなく眼もふさいでしまいました。
しかし蝋燭はぽんともいわずに静かに燃えているばかりでした。
