夜の警備員の三つの仕事
夜の十時を過ぎると、大きなビルの中には、ほとんど人がいなくなります。 でも、一つだけ電気がついている部屋があります。 警備員の部屋です。
警備員の仕事は、泥棒を捕まえることだと思われています。 でも、一晩の仕事は、そんなにドラマのようではありません。 仕事は大きく三つです。
一つ目は、見回りです。 二時間に一度、決まった道を歩きます。 廊下、階段、駐車場。 同じ場所を、同じ順番で見ます。 会社によって、入ってもいい部屋と、入ってはいけない部屋が決まっています。
二つ目は、機械を見ることです。 窓やドアにはセンサーがついていて、誰かが開けると、警備室の画面に知らせが出ます。 画面を使うときは、毎回パスワードが必要です。
三つ目は、記録です。 何時にどこを歩いたか、全部書きます。 朝、その記録をパソコンにダウンロードして、会社に送ります。
警備の仕事は法律で決まっています。 警備員は警察官ではありませんから、できることには限りがあります。 あやしい人がいたら、まず警察を呼びます。
一晩に何か起こる日は、ほとんどありません。 それでも、毎晩同じ道を歩いて、記録を書きます。 一番役に立つ記録は、実は「何もありませんでした」という記録なのです。
