王さまと靴屋(三)
とじいさんは、金づちをもった手をわきにたれて、ひざの上の時計をみました。
「うん、小さい声で、ほんのひとくちいえばあげるよ。」と王さまは手をもみあわせながらいいました。
するとじいさんは、やにわにその時計をひっつかんで床のうえにたたきつけました。
「さっさと出てうせろ。ぐずぐずしてるとぶちころしてしまうぞ。不忠者めが。この国の王さまほどごりっぱなおかたが、世界中にまたとあるかッ。」 そして、もっていた金づちをふりあげました。
王さまは靴屋の店からとびだしました。 とびだすとき、ひおいの棒にごつんと頭をぶつけて、大きなこぶをつくりました。
けれど王さまは、こころを花のようにあかるくして、「わしの人民はよい人民だ。わしの人民はよい人民だ。」とくりかえしながら、宮殿のほうへかえってゆきました。
