戻ってきた年賀状
一月八日の朝、おじいさんは玄関で郵便を見ていた。 はがきが二十枚。 全部、おじいさんが書いた年賀状だった。
「さくら、ちょっと来てくれ。年賀状がみんな戻ってきてしまった。」
孫のさくらが玄関に来た。 「住所を間違えたの?」
「いや、ちゃんと書いた。三日に駅前のポストに入れたんだ。はがきもきれいなのを選んだぞ。百円ショップで、二十枚で百円だ。」
さくらは一枚取って、裏と表を見た。 「おじいちゃん、切手は?」
「切手?」
「郵便局の年賀はがきなら切手はいらないけど、これは普通の絵はがきだよ。切手がないと届かないの。おじいちゃんの住所が書いてあるから、戻ってきたんだよ。」
「住所がなかったら、どうなるんだ。」
「友達のうちに届いて、友達がお金を払うの。」
おじいさんはしばらくはがきを見ていた。 「なるほど。じゃあ、来年は住所を書かないで出そう。」
