一周した会計
(金曜日の夜、ファミレスの席で、リナとまさとが食事を終えた。)
リナ:ごちそうさま。じゃあ、私の分、いくらだった?
まさと:いいよいいよ、今日は俺が出しとくから。
リナ:えっ、そういうわけにはいかないよ。ちゃんと払う。
まさと:そんな、気にしなくていいって。この前、車で駅まで送ってもらったし。
リナ:あれとこれとは別。お金は、個人のことだから、きちんとしたいの。ね、いくらだった?
まさと:……えっと、二人で三千二百円。だから、リナは千六百円ね。
リナ:はい、これ。……あ、ごめん、二千円札しかない。細かいのがなくて。
まさと:じゃあ、四百円お釣りね。ちょっと待って。……あれ。
リナ:どうしたの?
まさと:さっき、支払い、カードでしちゃったんだよな。今、財布に現金が入ってない。
リナ:え、じゃあ、お釣りは?
まさと:……渡せない。悪い、明日でいい?
リナ:ちょっと待って。それって、結局、私のお釣りの四百円を、あなたが持ったままってことだよね。
まさと:まあ、そうなるね。
リナ:最初から、きれいに割り勘にしとけばよかったじゃない。
まさと:だから、俺が全部出すって言ったのに、リナが払うって言うから……。
リナ:……なんだか、話が一周して、元に戻った気がする。
まさと:明日、コンビニでお金くずして、ちゃんと返すよ。
