作った人と話してください
毎年十月、市の大きな会場で「趣味の作品展」が開かれる。 プロの作品は一つもない。 会社員や学生や、仕事をやめたお年寄りが、一年かけて作ったものを並べる展示会だ。
一階は陶芸の部屋だ。 茶碗や皿が長い机の上に置かれ、作った人の名前と、かかった時間が小さい紙に書かれている。 「三か月」と書かれた湯のみもあれば、「二年」と書かれた大きな花瓶もある。
二階は編み物と模型作りだ。 編み物の机には、セーターやマフラーのほかに、毛糸で作られた野菜が並んでいる。 模型のほうは、船や城や、昔の駅の風景が細かく作られていて、子供より大人のほうが長く立ち止まっている。
去年から、この作品展は国際交流のイベントとしても紹介されるようになった。 近くの町に住む外国人が招かれ、英語の説明も付けられた。 地元の放送局が短い番組を作ったので、それを見て来た人も多かったそうだ。
今年の入り口には、大きな字でこう書いてある。 「作った人と話してください」。 作品の前で立っている人に聞けば、その人が作った本人であるはずだ。
