完璧です
たくやは机の上に部品を並べて、説明書を開いた。 りくはとなりでゲームをしていた。
「さあ、始まりました。本日組み立てるのは、戦車のプラモデルです」
「……誰に言ってるの」とりくが聞いた。
たくやは答えなかった。 小さい部品を一つ取って、接着剤を少しつけた。
「選手、慎重です。ここで失敗したら、終わりです。……入りました。完璧です」
りくはゲームをやめて、たくやを見た。 たくやの手はもう次の部品を持っている。
「続いてタイヤです。この部分は難しいようです。……入りました。完璧です」
「その『完璧です』、あと何回言うの」
「あと二百三十回ぐらいです」
りくが説明書を見ると、部品の数は本当に二百三十以上あった。 急に、りくも一つやってみたくなった。
「じゃあ、僕も手伝おうか」
「助かります。友人の手を利用します」
「言い方」
りくは接着剤を取って、小さい部品につけた。 そして、それを指で強く押さえてしまった。
「たくや、指が」
りくの指には、戦車のタイヤがしっかりくっついていた。
「選手、大変なことになりました。完璧です」
